人間生きていればなるようにしかならない場面や、意地張ってどうにかしなければならない場面がある。どちらにしても真剣という感情は大切だと僕は考えているんだ。
のにも関わらずだ。僕の真剣という気持ちはがっつり錆びている。錆びきっている。「俺は本気出せばいけるんだ」なんて思っちゃいない。けれども本気に入るスイッチも錆びているし、本気になったとしても抜き身の真剣が錆びていては元も子もない。そんな20代後半によくありそうな焦りを抱えて僕は映画館へ向かう。
燻りの火床と鈍らの真剣
改めましてカルオです。そんなことで自分の真剣を研ぐためにP.AWORKSお得意お仕事シリーズ映画最新作である「駒田蒸留所へようこそ」を見てきた。
事前知識は特になく、数回YouTubeの広告で見たくらい。P.AWORKSのお仕事シリーズは明日の労働を豊かに力強くする効果効能を当事者比として持っているのでその力を借りに行く。あとウイスキー自体が好きなのでその制作過程というのも気になる。
駒田蒸留所へようこその感想
早速の結論。Good or Badのどちらかでいえば specialest Goodだった。スペシャルの最上級造語ね。
僕が見に行った理由は上述した通り自分の真剣を研ぐために。別の比喩表現を持ち出せば心に灯をともすためにということになる。その目的は十二分に…どころかむしろ心からあふれて溺れるくらいには満たしてくれている。えぐいってお仕事シリーズ。
ではなにがそんなに良かったのか。ネタバレを嫌う僕がネタバレにならない範囲で書いていく。
仕事なんて…と思ってる若者の解像度高すぎ
この映画は「ニュースバリュージャパン」というニュースサイトの記者である高橋光太郎という人物が仕事でウイスキーの生産者へインタビューに向かう…ということからストーリーが始まっていく。
彼は25歳にして5社目と仕事を転々としているんだ。なんか正直僕はこの辺でシンパシーを覚えた。ちなみに僕は25歳のときにフリーター2回を含むと6社目。いや僕の方が点々としとるんかい…。
そして物語が進んで彼が仕事でウイスキー生産者にインタビューをするんだけど仕事っぷりがまぁひどい。ただただひどいだけでなく「しょうがないじゃん…○○なんだし…」といった言い訳付き。彼がやっているニュースサイトの記事制作に似た仕事を僕も現在の仕事でしているのでああいう風になってしまうこともわかるから余計に心が痛んだし、それが周囲の人間にどういう印象を抱かせるかを客観的にわからせてきた。
この映画なんか労働という抽象概念に困っている若者の解像度高すぎない?大丈夫?
内面成長と外面問題へのアプローチ
ここがとてもわかりやすく描かれていて素直に受け止めやすいものだった。要するに主人公がどういった成長をして、どういった問題を解決していくのかということ。
詳しく書くとどうしてもネタバレになるので書かないけれど、上述した通り主要人物である高橋光太郎は自身の仕事に「なんだかなぁ…」といったくすぶった気持ちをもっている。この彼の内面が成長することで作中にある彼以外の外面的問題にも影響が出てくるんだ。回りくどく描かれることはないので、純粋に「明日、僕もちょっと頑張ってみよう!」と前向きになれる。
ありたい姿を失わなければたどり着ける
劇中で駒田圭田圭という人物が「ありたい姿を失わなければきっとそこにたどり着く」といった趣旨の言葉を話すシーンがある。ぱっと思いついたのは大谷翔平。
大谷翔平は二刀流(投手・打者にてどちらも高レベルで遂行できる人)を学生の頃から目指していた。そして彼は2023年の11月末現在、MLBにて二刀流を実行している。それだけでなく2度のシーズンMVPをも受賞している。
「大谷翔平 ノート」と検索すれば出てくるのだけど、彼はその「自分のありたい姿」を叶えるために何が必要かを自分で考え、必要だと思われることを実行していっている。ついでにマンダラチャートって調べるとその組み立て方も知らべることができる。
まさに「ありたい姿を失わなければたどり着ける」という一番ベストな人物例だなと。
なんとなくガッツがもらえる気がした。
早見沙織の歌えぐい
映画のラストにはエンディングが付き物。
駒田蒸留所へようこそを彩るエンディングは劇中の駒田琉生を演じる早見沙織が歌っている。のだけれどもまぁ声がいいわ歌がうまいわ表現豊かで引き込まれるわ。むしろここだけでも一見の価値あり。
まとめ
今回は映画「駒田蒸留所へようこそ」を見て自分の中の真剣を磨くという目的で行って見事に磨かれたと同時に早見沙織の歌声で切っ先赤ちゃん撫でられるくらい丸くなりました。