
暑くて汗が止まらない日、大雨でズボンが濡れて憂鬱な日。日常もけっこう色とりどり。
その日の状態を一番感じる時間がサラリーマンにとっては「通勤」
今日も僕は会社へ向かう。その日は確か寒かったから、秋か冬頃。空気の澄んだ時期だった。いつも通り、だるいなぁと思いながらダラダラと歩いていた。
ふと、顔を上げる。すると目の前にこれから通勤って感じの黒人がいた。
髪は長めのドレッドで、身長は私より少し低いが、がっしりとした身体つきがうかがえる。
同時に彼も顔を上げて目があった。
なんとなく僕は会釈をした。日本人らしいリアクションだと思う。それに対して彼はほほえみ+会釈を返してきた。僕より日本人だ。
そんな彼とは、今でも通勤時にちょこちょこすれ違うんだけど、会うたびにお互い微笑を携えて会釈をしている。
言葉を交わしたこともないし、お互いにどんな人生のバックボーンがあるのか。
何が好きで嫌いかも、何も知らない。
それでもその一瞬は、なんとなくお互いのことを思いやって挨拶をしている。そんな感じがする。
だから僕は、素性も何も知らない彼のことを「友だち」って呼んでいる。

